豆知識

多重債務者問題と自己破産の実態

投稿日:2016年11月1日 更新日:

「債務」とは、クレジットやローンなどの借金のことをいい、一人で複数の金融機関やクレジット会社から借入れをしている人を「多重債務者」といいます。

債務が多重化する原因

最近の傾向として、贅沢品や収入以上の買い物、遊興費・飲食交際費、冠婚葬祭・傷病・出生などに関する出費が主な原因となっています。

とくに、生活費をやりくりするための債務多重化が増加しており、これは、バブル経済崩壊後のここ数年の長引く景気の停滞を反映をしていると考えられます。

債務を整理するには

このような債務を整理するためには、

①自助努力…「入るを計って出ずるを制す」ことで債務整理する。

②他力援助…親戚や低利の金融機関からの借入れで債務整理する。

③任意整理…業者との話し合いで債務整理する。

④調停による整理…簡易裁判所に申し立て、調停で債務整理する。

⑤訴訟による整理…債務の存在確認訴訟や、過払分返還請求書訴訟で債務整理する。

⑥自己破産…地方裁判所に自己破産の申立をして債務整理する。

などの方法があります。

債務整理の最終手段、自己破産

債務整理の手段として上記で挙げた「自己破産」とは、多重債務者が債務から逃れる最終手段です。

自己破産の申立てをするには、破産原因が存在していることが必要で、個人が行なう自己破産の破産原因として「債務返済不能の状態にある」ということが必要です。つまり自己破産の申立てをして、申立人が債務返済不能の状態であると裁判所に認められてはじめて、破産宣言が決定するのです。

では、自己破産をするとどうなるのか見てみましょう。

①財産の管理処分権の喪失…破産宣告時にもっていた財産を売買する権利を失い、財産の管理処分権は破産管財人(破産手続開始決定が下りた場合に、裁判所が選任する弁護士)に移る。

②自由の制限…説明義務(破産管財人や債権者集会の請求により破産に関して必要な説明義務を負う)、居住制限(裁判所の許可なく転居や長期旅行など、移住地を離れることができない)、引致・監守(裁判所が必要であると認めた場合に身体を拘束されたり、逃走や財産を隠したり壊したりするおそれがある場合に監守を命じられることがある)、通信の秘密制限(破産者向けの郵便物などは破産管財人に届き、破産管財人はそれらを開披できる)

③公私の資格制限…公法上の資格制限(弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、税理士、弁護士、宅地建物取引主任者などになれない。選挙権、非選挙権などの公民権は失わない)、私法上の資格制限(後見人、後見監督人、保佐人、遺言執行者などになれない。また株式会社の取締役、監査役の退任事由となる)

一般的に自己破産の増加には、カード発行枚数の増加が影響していると思われていますが、自己破産の増加はカードの発行枚数の伸びを大きく上回っており、カードの発行枚数と自己破産は直接は関係ありません。

自己破産の申立立件数は年々増え続けています。カード発行枚数は直接関係してはいないものの、現在のクレジット業界にとって「多重債務者」の問題は軽視することができません。

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